スポーツを頑張っている小中学生のお子さんをお持ちの親御様で知らないと損する話
スタッフと議論になりました
昨日ある患者さんのことでスタッフと議論になりました。
非常に大事なことだったのでお伝えしたいと思います。
内容は
学生スポーツのケガ問題
です。
スポーツにはケガが付き物ですよね。
この問題は小学生から高校生、大学生までの生徒を預かる監督、コーチ、トレーナーの方にも一度深く考えてもらいたいです。
ある高校生の女の子の患者さんが来院されました。
部活がダンス部でダンス中に足が痛くなりました。
との事でご連絡をもらい来院されました。
よくよく聴いていると当院には18時00分くらいに来院されましたが、同日に当院以外に2軒はしごしているようで、接骨院と治療院?に行っているようです。
当院に来たのはその2軒でわからないので来たとのことでした。
僕としてはその時点でその2軒の治療院はどのような治療と説明をしてるのか?
と言う疑問もありますが、
当院は必ず原因を見つけてから治療を始めるので検査をしました。
いろんな検査をした結果
結論的には『肉離れ』でした。
肉離れと言うのはそもそも1回の治療で完治するなんてあり得ない事です。
当院でも治療しても1回で治すなんですどう考えても不可能です。
なので、2軒いった治療院ではどんな説明を受けてきたのか…???????
治療院のはしごをすると言うことはちゃんと『これは治らない最低でも2週間から3週間の治療を要する』
と説明しているのか?
してないから3軒も治療院をはしごする羽目になるんです。
そこにも憤りはありますが、
対応していたのは僕ではなくスタッフでした。
僕はずっとスタッフの対応を、耳を傾けて聴いていました。
スタッフが彼女に説明したのは、
・肉離れである
・今日の1回では楽にはなるが完治は不可能
・治癒には2、3週間必要
・運動してはダメ
という感じです。
これは最低限問題ないんですが、問題はここからです。
当院ではこういった場合選択肢を設けて、子供の意向を確認して治療計画を立てます。
①部活しながら治す
②休んでしっかり治して部活再開する
大概の子供は①を選択します。
しかし、彼女はそもそも当院に一時しのぎの目的で来ています。
『明日とりあえず痛くなく踊れればいい』
という考えです。
ここが僕の言う
『問題』です。
スタッフが出した答えは
彼女の意向に沿った①を選択しました。
僕はこれに異論を出しました。
『この肉離れの状態で部活動をしながら治療を進めていくことが本当に彼女のためになるのか?』
①1週間後に大会があってそれが引退試合である
②1ヶ月後に大会があるが本人はプロを目指している
③6ヶ月後に大会がある
3つ例を出しましたが他にもいろんな状況があると思います
それぞれの状況に応じて治療者は対応を変えなくてはいけないと僕は思ってます。
僕自身が彼女を診たわけではないので全てを把握していませんが、スタッフと議論したのはそこです。
スタッフは彼女に同意し部活動をしながら治療を進めることを選んだんですが、結局は次回くる日もちゃんと決まってないですし、見ていてちゃんと計画通りくるかどうかもわかりません。
このまま来ないこともあるでしょう。
これって本当に彼女のためになってるのでしょうか?
本来であれば基本的にはやはります部活動の中止、治療に専念して3週間後に復帰、リバビリを経て完治、治療院を卒業
これが基本的な流れです。
スタッフに言ったのは本人の意向に沿うのはいいんだけど意向に沿うことと本人にとって最良の選択は違うということです。
学生という中途半端な立ち位置、プロを目指す子、趣味の延長線の子、今が楽しいからやってるだけ、全国大会、県大会を目指している、などなど、いろんな考えがあるのでちゃんと聞かなくてはいけないです。
プロを目指すしてるのであれば本当に練習していいのか?
趣味なら好き勝手でもいいですが、全国や県大会を目指すならそれによっても今やるべき事は変わります。
でも、スタッフは小学生のスポーツクラブのコーチもしてました。
自分のチームの生徒の事を考えると怪我してる子をどこまでやらせるのか?
やらせてもいいのか?
葛藤があるようです。
僕がスタッフに伝えたのは
『1番は怪我をさせない管理と練習方法』をそもそも考えているのか?
今の小中学の運動で僕が考える一番は
『基礎的な練習を反復してひたすら毎日繰り返す事』
が基礎的な運動能力の向上になって能力を発揮してスポーツで開花、最高のパフォーマンスを発揮してくれると考えています。
基礎練習をひたすら反復して毎日繰り返すにはやはりケガは子供の能力を阻害して良い練習も出来なくなってしまうので、大人が子供たちをしっかり管理する必要があると考えています。
監督、コーチ、トレーナーは良い練習も大事ですがケガをさせない、痛いがないようにさせる事が最も大事な仕事だと僕は考えます。
スタッフにも伝えましたが、
痛くなくてもアイシングやマッサージ、メンテナンスと言われる物を強制的にやっていく。
プロの選手を考えてみてください。
野球選手であればトレーナーが必ずいて体の管理をしています。
ピッチャーは必ず肩のアイシングをしてますよね
プロの選手は必ず痛い痛くないに関わらず常に体をメンテナンスしています。
プロだから…と言われればそれまでですが
未来のある学生さん達にも是非この意識をもっと考えてもらいたいです
子供達が意欲的で感情的にやりたいという気持ちはとてもいい事です。
しかし、その考え方が間違っていたら正してやることも大人の仕事だと考えます。
それが自分で判断できないなら我々に聞いてください
やっていいのか?
いけないのか?
スタッフも言ってましたが自分のチームで核となる選手、勝てる選手にどれだけ負担をかけさせるのか?
自分が矛盾してるこもわかっているが、現実的に止めれていないのが現状です。
スタッフもどうしても自分の可愛い生徒であるためにクレバーに中止させたいのにできない
休ませるとチームが勝てない
という葛藤があるようです。
僕でも自分が見ている生徒には感情が入ってしまいます。
しかし、チームの大人はやはり子供を守る行動や意識、知識を持ってもらいたいです。
痛くなったらではなく痛くならない練習内容、練習後のメンテナンス方法
自分でできないなら管理してもらえる地域の接骨院や治療院と提携する必要が有ります。
まとめると
学生の部活動ではケガをさせない練習
ケガをしてしまったら客観的に診て中止させるのか、中止させないのか、状況によって正しい選択は変わります。
100%正解は無いと思いますが少なくとも
子供の未来を潰さない為に
『ケガをしてからではなく
カゲをさせない活動』
を僕個人として考えます。
ちょっと長くなり複雑でわかりにくかったと思います。
読んでいただきありがとうございます。